had better Vとは
まずはこれだけ覚える!
「had better V」は「Vした方がよい」という意味!
相手に対して切迫感を与える強い表現なので使い方には注意が必要!
〜目次〜
- 「had better V」の意味
- 「had better V」の否定文
- 「had better V」の疑問文
- 「had better V」の付加疑問文
- 「had better V」の強意表現
- 短縮形や発音など「had better V」の注意点
- 「had better V」をやさしく表現するには
「had better V」の意味
「had better V」は「Vした方がよい」という意味を持ちます。
You had better study English.
あなたは英語を勉強した方がよいです。
「した方がよい」と上の例文の日本語訳を書きましたが、ニュアンスとしては「しなければヤバイよ」という切迫感があります。
「英語勉強しなければヤバイよ〜ヤバイよ〜」という具合に出川哲朗さんのようなお気楽な感じは一切ありません。
「本当にした方がいいですよ、そうじゃなければヤバイですよ」、このニュアンスを意識することがポイントです。
「〜した方がよい」という言い回しのため「提案」の意味として認識しがちですが、実際は「忠告・命令」の意味を表すのが「had better V」です。
特に主語が「you」の場合は、目の前にいる相手に対して「〜しなければヤバイ」と言うことになるため、強い忠告・命令の意味になってしまいます。
目上の人に対して使う言葉ではありません。
「had better V」は相手に「こうした方がよい、そうじゃないとマズイ」と何かを要求するようなニュアンスがあると理解しましょう。
親が自分の子どもに対して何か注意をするときに使う表現とでも考えると、どのようなニュアンスかがイメージしやすいと思います。
「had better V」の否定文
「had better V」の否定形は以下のように「had better not V」という形になります。
You had better not study English.
あなたは英語を勉強しない方がよいです。
「had better not V」という形で、「〜しない方がよい」という意味になります。
「not」の入る位置に注意が必要です。
「not」は否定したい語句の前に置くと考えれば、「not」の位置に迷うことはなくなります。
ニュアンスとして、「しない方がよいです。しているとマズイことになりますよ。」という切迫感があります。
「had better V」の疑問文
「had better V」の疑問形は、2つの形があり、それぞれ意味が異なります。
■Hadn't S better V ?
「Hadn't S better V ?」という形を用い、「SはVした方がよいのではないでしょうか?」という提案の意味になります。
Hadn't you better study English?
あなたは英語を勉強した方がよいのではないでしょうか?
注意点は、必ず「Hadn't」というように否定形にすることです。
なぜ「Hadn't」という否定形なのか、その理由は「した方がよいのではないでしょうか」という意味から理解できます。
■Had S better not V ?
「Had S better not V ?」という形を用い、「SはVしない方がよいのですか?」という意味になります。
Had you better not study English?
あなたは英語を勉強しない方がよいのですか?
この場合は、「しない方がよいのですか?どうなるかは自己責任ですよ」というように少し突き放したニュアンスになります。
注意点は、こちらも「not」を用いた否定形になることです。
その理由は「しない方がよいのではないでしょうか」という意味から理解できます。
これら2つの疑問文も、「not」は否定したい語句の前に置くという考えを用いると意味の違いが区別できます。
「had better V」の付加疑問文
「had better V」の付加疑問文は、文末に「, hadn't I?」または「, hadn't we?」を付け加えます。
I had better study English, hadn't I?
私は英語を勉強した方がよいですよね?
構文の考え方は通常の付加疑問文と全く同じで、意味は「Vした方がいいですよね?」となります。
「had better V」の強意表現
「had better V」の強意表現として「had best V」というものがあります。
You had best study English.
絶対に英語を勉強した方がよいです。
(さもなければ何か悪いことが起こる)
ここまで強いニュアンスが含まれることになるので、私は使うことはありません。
「good(良い)」の比較級が「better(より良い)」であり、最上級が「best(もっとも良い)」です。
このとおり、「そうするのがベストだ」という「had best V」がもっとも強い表現となります。
短縮形や発音など「had better V」の注意点
「had better V」を使用する際の注意点についてです。
常に「had better(best) V」の動詞Vは原形になります。
理由としては「had better」が助動詞に相当する役割をしているからです。
また、「had better」の短縮形は以下のようになります。
You'd better(best) study English.
「you'd」「he'd」「she'd」「they'd」のように「主語S」と「had」が合体した短縮形になります。
「you'd」の発音を無理にカタカナで表すと「ユード」となります。
「he'd」「she'd」「they'd」の場合も発音の仕方は同じです。
「had better V」をやさしく表現するには
「had better V」は「Vした方がよい」という意味ですが、私自身はどうも人へ命令している要素を強く感じてしまうので、日常英会話の中ではほとんど使わないようにしています。
「better」「best」という単語にはポジティブな意味があるため、良い意味として「had better V」を理解している人が多くいますが、強要感は否定できません。
もし「had better V」を使うのであれば、
I think you had better V.
このように「I think」を付けることで少しニュアンスを弱くしましょう。
「I think」を付けることで、「あくまでも私の考えですが」という前置きとなるため、少しニュアンスが弱くなります。
また、「had better V」に代わり、かつ、それよりも丁寧な表現ならば、以下のものが定番です。
It would be better for you to V.
この表現の場合、「Vしたらよいかもしれません」程度の提案を意味することができます。
次の講義はコチラ:強調のdoとは