エブリデイイングリッシュの口コミと評価
教材名
エブリデイイングリッシュ
価格
29,808円(送料・消費税込)
開封前のみ返品可
開封をして良いのはお試しセットだけ
中身
CD12枚
テキスト1冊
対象レベル
中級者
英検準2級〜
TOEIC450点〜
期待できる効果
日常英会話表現が分かるようになる
リスニングの力が身につく
良いところ
聞くだけなので学習がラク
高速音声でリスニングを鍛えることができる
日常的な英会話表現が網羅されている
残念なところ
聞き流すことしか機能がない
スピーキングへの効果は薄い
CDの音声にバックミュージックが付いているので聞き取りに集中しづらい
私の体験結果による口コミと評価
エブリデイイングリッシュはスピードラーニングとならびとても有名な英会話教材です。
セインカミュさんを広告塔にしてインターネットを中心に新聞にも頻繁に広告を出稿しているので、英語を勉強している人であれば「エブリデイイングリッシュ」という教材名を耳にしたことがある人が多いと思います。
(2017年現在、セインカミュさんは広告に登場しなくなっています。)
エブリデイイングリッシュは「流して聞くだけで英語がある日突然口から飛び出す」という宣伝文句をしています。
おなじみのスピードラーニングは「聞き流すだけで英語が話せるようになる」という宣伝文句です。
他の多くの英会話教材とは違い、「聞くだけで英語が話せるようになる」ということをウリにしているのがこれらの聞き流し英会話教材の特徴です。
そして、エブリデイイングリッシュには「努力しないでください」「勉強不要」などのように「ラクさ」を強調した感もあります。
積極的な宣伝活動と同時に、このような宣伝文句もとても印象的で、多くの人に興味を持ってもらいやすいこともあるためか、利用者がとても多いです。
実際に両方を使ってみて、スピードラーニングとそっくりな教材だと私は感じました。
ともに「聞くだけ」という言葉のとおり、基本的にはバックミュージック付きの英会話シーンを聞くことを学習メニューにした教材です。
しかしながら、わずかに違いがありました。
エブリデイイングリッシュはスピードラーニングと異なり、テキストの中に解説が付いています。
写真の引用元
エブリデイイングリッシュのテキスト146〜147ページ
スピードラーニングと違って解説が付いている
単語や文法を気にする必要なく聞き流せばいいという趣旨のためか、解説がない聞き流し教材が多いのですが、エブリデイイングリッシュには解説があり、理解しやくなっています。
また、CDの音声は通常速度だけでなく、1.4倍速以上の高速音声も収録されています。
そのため、同じ聞き流す系の教材ではあるが、スピードラーニングよりもエブリデイイングリッシュの方が使い勝手がいいと私は感じました。
しかし、それよりも考えるべきは「聞くだけで英語が話せるようになるのか」ということです。
かつて私は「聞き流すだけで英語が話せるようになる」「流して聞くだけで英語がある日突然口から飛び出す」という宣伝や、その体験者が「英語が話せるようになった」と語る様子を見て、これらの教材を購入しました。
ですが、実際に使ってみて、聞くだけで英語が話せるようになることはありませんでした。
購入前は「もしかして英語が話せるようになるのかも」と思ってしまったのですが、実際に使ってみてからは「やっぱり自分にはそんな甘い話があるはずがない」との気付きになり、まっとうな方法で英語を学ぶようになりました。
そしてそれが教訓となり、以後、メキメキと英語力がついていきました。
もちろん個人差も影響していると思います。
しかし、やはり「聞くだけで英語が話せるようになることは極めて難しい」、これが私の意見です。
聞くことで英語が話せるようになるというのは赤ちゃんが言葉を覚えるプロセスを再現してのことらしいですが、私たちは赤ちゃんではありません。
赤ちゃんが1つめの言語を身につけるのと、大人が2つめの言語を身につけるのでは状況がまったく異なります。
ここで詳しく述べると長くなってしまうので、簡潔に理由を述べます。
1つめの言語は自然と身につくが、2つめの言語となれば、すでに身につけた1つめの言語を介して聞いたものを理解しようとしてしまったり、1つめの言語との音の違い、語順の違いなどの干渉があるため、赤ちゃんのように自然と身につくことはありません。
つまりは赤ちゃんとすでに言葉を身につけている大人とでは前提がまったく違うということです。
実際に、第一言語の習得に失敗する人は誰もいませんが、第二言語の習得は多くの人が失敗に終わります。
このことからも赤ちゃんと大人が言葉を身につけるプロセスは同じではないことが分かるでしょう。
また、聞くだけで英語を身につけようと考えた場合、実際のことろ「ただ聞くだけ」ではダメだとも思います。
当然ですが、聞いたものを理解し、覚える必要があるからです。
そして、聞くだけで英語が話せるようになろうと考えるのであれば、聞いた英語から、この表現はどんな場面でどのように使っているのだろうか、どのようなニュアンスがあるのだろうかと、自分で感じ取り、実際の会話の場面で応用を利かせる必要もあります。
そこには決して「聞くだけ」という安易さはありません。
それゆえに誰が使うかによって効果に差が大きく出てしまうと感じました。
このような理由ももちろんですが、長年、苦労をして英語を勉強した結果として、英語は話す練習をせずに話せるようにはならないと私は言えます。
聞くことからはじめることは正しいことですが、それよりも重要なのはその後にどれだけ話す練習をしたかです。
聞くだけで英語が話せるようになるとは、言い換えれば、ピッチャーが投げる速球を見るだけでボールがバットに当たるようになると言うのと変わりはありません。
速球を見るだけよりも実際にバッターボックスに入ってバットを振った方が上達するのは間違いのないことだと思います。
このようにスポーツに例えると「そうだよな」と思うことでも英語となればなぜか信じたくなくなってしまうのが人間心理だと思います。
もし聞くだけで英語が話せるようになるのであれば、どんな教材を使っても英語が聞ければ英語が話せるようになるはずです。
しかし、多くの教材はそうは言っていません。
もし聞くだけで英語が話せるようになるのであれば、これほど多くの人が英語に対して苦労をしていないはずです。
英会話学校も留学も、学校の授業も、すべてが不要になってしまうのではないでしょうか。
しかし、現実には多くの人は英語に苦労をし、世の中には教材や学校などさまざまな英語を学ぶためのサービスが存在しています。
このように考えると、矛盾があるように思えてしまうことがあります。
聞くだけで英語は解決できない、聞くことはリスニングの勉強、こう考えるのが妥当です。
やはり、「聞くだけで英語が話せるようになる」というのは教材に興味を持ってもらうための宣伝文句でしかなく、真に効果がある方法ではないと私は思っています。
ここまでの意見はあくまでも「聞くだけで英語が話せるようになる」ということに対しての私の辛口評価です。
それでは「聞くだけで英語が聞き取れるようになる」、この場合のエブリデイイングリッシュの評価はどうでしょうか。
こうなれば見方が変わってきます。
まず、内容として、エブリデイイングリッシュは日常英会話でよく使う英会話表現、よく出くわす場面の英会話を聞くことができます。
様々なシーンに細分化されていて、基礎的な英会話で必要になる表現や場面はほぼすべて聞くことができるため、基礎的な英会話の聞き取りはエブリデイイングリッシュで完結すると感じました。
このあたりはスピードラーニングとの大きな違いです。
スピードラーニングはストーリー重視のため、場面がエブリデイイングリッシュほど細分化されていなく、内容も日常的な英会話と同時にアメリカの文化についての題材が中心のため、高度なものも含まれています。
ですので、同じ聞くだけの教材でもエブリデイイングリッシュの方が内容が簡単で実用的だと思います。
そして、通常速度よりも速くした英語音声も収録されているので、これもリスニングの上達には効果があると感じました。
これを聞いた後であれば通常速度の英語音声は止まったかのように聞こえるように感じるものです。
ただし、機械によって速度を速くした音声では、アクセントやリエゾン(※)が死んでしまうのでネイティブスピーカーが話す生の英語ではありません。
(※)リエゾンとは前の単語の語尾とそれに続く単語をくっつけて発音すること
この点だけは注意をした方がいいと思います。
このようにエブリデイイングリッシュはリスニング用としては優れていると私は感じます。
英語の聞き取りに困っている初〜中級者が聞く、すでに英語を勉強している人がリスニング力維持のために聞く、これがエブリデイイングリッシュの効果的な使い方ではないでしょうか。
「流して聞くだけで英語がある日突然口から飛び出す」「努力をしないでください」などあまりにも派手な宣伝が目につく教材で、「聞くだけで英語が話せるようになる」と言われてしまえば否定というのが私のスタンスです。
ですが、「聞くだけでリスニングが強化される」と考えれば、スタンスは変わってきます。
基礎的な英会話が中心でボリュームもあり、まずは聞くことから気楽に英語をはじめてみたいという人や、すでに英語を勉強していて英語力維持のためにリスニングをしたい人にはおすすめの教材です。
かなり進化した聞き流し教材で、学習しやすく設計されていて、ストレスなく英語と触れ合う機会を作るのには最適だと思います。
ただし、英語が話せるようになりたいと考えるのであれば、同じく聞くだけで学習できる教材ですが、話す練習が中心のネイティブイングリッシュを使用することをおすすめします。
聞くだけというラクな学習スタイルでありながら、スピーキングへの効果まで目指した教材なので、このようにラクさを重視した分、スピーキングへの効果が低くなってしまうのは仕方のないことでしょう。