動詞の原形を使った原形不定詞とは
まずはこれだけ覚える!
動詞の原形を使った不定詞、いわゆる原形不定詞には、以下の3種類がある!
- 助動詞に続く場合
- 使役動詞に続く場合
- 知覚動詞に続く場合
今回の講義では、「動詞の原形を使った不定詞」について解説していきます。
不定詞とは「to V」の形を取り、名詞や形容詞、副詞の意味を持つものだとこれまでの講義で説明してきました。
これが王道的な不定詞ですが、これと使用方法が異なるのが原形不定詞です。
His funny joke made us laugh.
彼のおもしろい冗談は私達を笑わせました。
上は、原形不定詞の例文です。
1つの文章に「made(makeの過去形)」と「laugh」という具合に動詞が2つあるように見えてしまいます。
「laugh(笑う)」は動詞なのですが、それを使うのであれば「to laugh」としなければならないと思う方がいるかもしれません。
しかし、「make」のように特定の動詞(後述)については、その後に続く不定詞が「to V」という形を取らず、その代わりにそのまま動詞の原形が続きます。
これが原形不定詞というものです。
仮に主語が3人称単数であってもこの動詞には三単現の「s」がつくことはありません。
「to」も「s」もつかず、常に原形の動詞が続くので原形不定詞と言うわけです。
前置きが長くなりましたが、原形不定詞のいろいろなパターンについて詳しく説明していきます。
〜目次〜
動詞の原形を使った不定詞は以下の3パターンに分類することができます。
注意点としては、「助動詞に続く場合」については、参考書によっては、原形不定詞の内容に含まれないことがある、ということです。
しかしながら、「助動詞に続く場合」についても知識として知っておきたい人もいるだろうと考えるため、当英文法講義では取り扱って解説してきます。
助動詞に続く場合原形不定詞
助動詞の「can、could、Will、would、shall、should、may、might、must、need、dare」の後に動詞が続く場合は、原形不定詞を用います。
I think You should stop eating too much.
食べすぎるのは止めた方がいいと思います。
例外として、助動詞の「ought」と「used」はto不定詞の形となります。
There used to be a hotel here.
以前、ここにはホテルがありました。
おそらくですが、私も含め、ほとんどの人が「助動詞の後は動詞の原形」と習ったかと思いますが、これを厳密に言えば、「助動詞の後に動詞が続く場合は、原形不定詞を用いる」ということです。
これが事実としての理解ですが、頭が混乱しそうな場合は、「助動詞の後は動詞の原形」とのみの理解に留め、引き続きの使役動詞に続くパターンと知覚動詞に続くパターンの学習へと進んでください。
原形不定詞を取る使役動詞
まずは「使役」という意味を確認していきます。
使役とは、「人を使って何かをさせる」という意味として辞書に載っています。
この意味を理解した上で、引き続きの説明と例文を見ていきましょう。
原形不定詞を取る使役動詞は、「make、have、let」の3つがあります。
3つだけなので、暗記してしまうことをおすすめします。
make
形 | 意味 |
---|---|
make O V | (無理やり)OにVさせる |
His funny joke made us laugh.
彼のおもしろい冗談は私達を笑わせました。
当講義の冒頭で例文として挙げたのと同じものです。
have
形 | 意味 |
---|---|
have O V | OにVしてもらうOにVさせる |
I have him open the window.
彼に窓を開けてもらいます。
let
形 | 意味 |
---|---|
let O V | OにVさせるOがVすることを許す |
I let you know what happened.
何が起きたのかあなたに知らせます。
すべて「〜させる」という意味になっています。
例外的な使役動詞
動詞「get」も使役動詞ですが、「get O V」という形を取ることはできず、必ず「get O to V」となります。
I got him to clean my room.
私は彼に私の部屋を掃除させました。
また、動詞「help」も使役動詞ですが、「help O to V」という形になる場合があります。
ただし、 「help」は「help O to V」という形も「help O V」という形も両方を取ることができます。
Can you help me to carry this baggage?
この荷物を運ぶのを手伝ってくれますか?
Can you help me carry this baggage?
どちらも正解です。
ニュアンスとして原形不定詞を用いた「help O V」の方がくだけたニュアンスがあり、「help O to V」の方が丁寧なニュアンスになります。
原形不定詞を取る知覚動詞
知覚の意味を辞書で調べると、「感覚器官を通して外界の物事や身体内部の状態を知る働き」とあります。
つまり、知覚動詞とは、何かを感じるための動詞として理解をしておきましょう。
その前提で、以下の例文を見ていきます。
feel
形 | 意味 |
---|---|
feel O V | OがVするのを感じる |
I felt my dog run away.
私の犬が逃げていくと感じました。
see
形 | 意味 |
---|---|
see O V | OがVするのを見る |
I saw the boy break the window.
少年がガラスを割るのを見ました。
hear
形 | 意味 |
---|---|
hear O V | OがVするのが聞こえる |
We heard our baby cry loudly.
私たちは赤ちゃんが大声で泣くのが聞こえました。
他にも、以下の知覚動詞は動詞の原形が続きます。
形 | 意味 |
---|---|
notice O V | OがVするのを気づく |
observe O V | OがVするのを気づくOがVするのを見守る |
watch O V | OがVするのを見守る |
look at O V | OがVするのを見る |
listen to O V | OがVするのを聞く |
以上、使役動詞と知覚動詞のいずれの場合も、時制や主語に関係なくすべて原形の動詞が続いています。
原形不定詞を取る動詞というのは上述のように決まっていますので、これらを覚えてしまうことです。
TOEICのリーディングのパート5の問題ではたまにこの原形不定詞を選ばせる問題が出題されます。
その場合は前にくる動詞を見て、原形不定詞になるかどうかを判断し、空欄になった部分に原形の動詞を選ぶだけで正解することができます。
これは1つのテクニックなので覚えておいてください。
そして、この原形不定詞のひっかけとしてよく出題されるのが「get」です。
「get」は「get O to V」という例外的な形になるのでよく狙われます。
次の講義はコチラ:不定詞の形式主語とは
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