関係代名詞とは
まずはこれだけ覚える!
関係代名詞は、人や物について詳しい説明を加えるときに使う文法表現で、2つの文章を1つにまとめることができる!
関係代名詞は先行詞とその格によって何になるかが決定される!
今回の講義では、関係代名詞について説明していきます。
〜目次〜
関係代名詞とは
関係代名詞は関係詞の一種であり、関係詞には関係代名詞と次の講義で説明する関係副詞があります。
関係代名詞とは、人や物について詳しい説明を加えるときに使う文法表現のことを言います。
つまり、人や物という名詞に対して説明を加えるので、形容詞的な働きがあるわけです。
※形容詞は名詞を修飾する言葉
この定義について、例文を用いて具体的に確認していくことにします。
以下、肯定文の2つの文章があります。
I have a friend.
私は友達がいます。
He is very smart.
彼はとても賢いです。
この2つの文章を以下のように1つの文章にまとめることができます。
I have a friend who is very smart.
私はとても賢い友達がいます。
上の文章中にある「who」に注目してください。
この「who」が今回の講義で説明する関係代名詞です。
また、後に詳しく説明しますが、関係代名詞「who」の前にある「a friend」が先行詞というものになります。
まずはここまでの内容として、「関係代名詞は、人や物について詳しい説明を加えるときに使う文法表現で、2つの文章を1つにまとめることができる」と覚えてください。
先行詞とは
先行詞とは、関係代名詞の前に来て、関係代名詞を含む節が修飾する名詞のことを言います。
この説明のみでは理解がしづらいと思うので、例文で確認していきます。
I have a friend who is very smart.
私はとても賢い友達がいます。
上記の例文の要素を説明すると、以下となります。
先行詞 | a friend |
---|---|
関係代名詞 | who |
関係代名詞を含む節 | who is very smart |
上の例文は「a friend(友達)」について「smart(賢い)」と説明を加えています。
このように名詞に対して説明を加えるのが関係代名詞の役割です。
「説明を加える」=「修飾する」ということです。
上の例文の関係代名詞は「who」です。
この関係代名詞「who」を含む「who is very smart」という節が修飾するものは「a friend」であり、このように関係代名詞を含む節によって修飾される名詞を先行詞と言います。
簡単に言ってしまえば、先行詞とは関係代名詞の直前にある名詞のことです。
関係代名詞は先行詞とその格によって何になるかが決定されます。
■先行詞と格による関係代名詞の早見表
先行詞/格 | 主格 | 所有格 | 目的格 |
---|---|---|---|
人 | who | whose | whom・who |
人以外 | which | whose | which |
すべて(※) | that | なし | that |
(※)先行詞が人、人以外のどちらでも問わず
上の表が関係代名詞の基本になります。
中学の授業のときなどに見た記憶が蘇った人もいるかもしれません。
それでは、上記の表の内容について、1つずつ詳しく説明していくことにします。
関係代名詞の主格
以下は、関係代名詞の主格を用いた例文です。
He is Ken who has a nice car.
彼はすばらしい車を持っているケンです。
見るポイントは2つです。
1つ目は先行詞です。
この文章では関係代名詞「who」の直前にある「Ken」が先行詞にあたります。
先行詞とは関係代名詞の前にきて関係代名詞を含む節に修飾されるものです。
この場合、先行詞は「人」なので上の表の「人」の行を見ます。
次に見るポイントは関係代名詞に続く語彙です。
この文章では動詞が続いています。
動詞が続く場合、関係代名詞は主格になります。
動詞の直前には主語が来て「S+V」という形になりますよね、だから主格になるわけです。
したがって「who」が関係代名詞になります。
注意点として、先行詞が関係代名詞を含む節の動詞の形に影響を与える、ということです。
この点について、上記の例文で確認していきます。
先行詞は「Ken」であり、3人称単数です。
それゆえに、「関係代名詞を含む節の動詞の形」は、三単現のSを付けた「has」となります。
「have」としてしまうのは、間違いです。
関係代名詞の所有格
以下は、関係代名詞の所有格を用いた例文です。
Ken is a president whose idea we like.
ケンは私たちが好きなアイデアを持つ社長です。
この文章の先行詞は「a president」で「人」です。
そのため、上の表の「人」の行を見ます。
そして、先行詞の所有物「idea」が関係代名詞に続いているので、所有格になります。
よって、関係代名詞は「whose」になるわけです。
関係代名詞の目的格
以下は、関係代名詞の目的格を用いた例文です。
I have a picture which Ken gave.
私はケンからもらった写真を持っています。
上で説明した主格と同じ手順で確認していきます。
まず先行詞ですが、「picture」なので「物」つまり「人以外」ですよね。
そのため、上の表の「人以外」の行を見ます。
次に関係代名詞に続く語彙を見ます。
今回は「Ken gave」という文章が続いています。
しかし、この文章は完成していません。
何を「give(gave)」したのかが書かれていないからです。
このようにうしろに未完成の文章が続く場合は関係代名詞の目的格が入ります。
よって関係代名詞は「which」になります。
また、関係代名詞が目的格の場合だけ省略が可能です。
I have a picture Ken gave.
このように関係代名詞を省略することができます。
「先行詞と格による関係代名詞の早見表」では、先行詞が人の場合の目的格は「whom・who」と記しましたが、どちらを使っても正解ですし、どちらでも通じます。
(1980年代に生まれた私の世代は、「whom」を使うと学校で習った記憶があります。)
関係代名詞の格の見分け方
関係代名詞の格の見分け方を公式的に表すと以下のようになります。
■関係代名詞の見分け方の公式
形 | 使用する関係代名詞 |
---|---|
先行詞 ( ) 動詞 | 主格(who・which・that) |
先行詞 ( ) 不完全な文 | 目的格(whose) |
先行詞 ( ) 先行詞の所有物 | 所有格(whom・which・that) |
※ ( )内には関係代名詞が入る
文章中の「形」によって、関係代名詞が決定します。
これは試験や受験などで使えるテクニックです。
whatを使った例外的な関係代名詞
「what S V」という形で「Vするもの、Vすること」という意味を表し、1つのカタマリの名詞のように使うことができます。
「what S V」で1つのカタマリの名詞となるので、文章中では主語・補語・目的語になることができます。
また、この「what」を使った関係代名詞は先行詞が必要ありません。
What I want is not only a promotion but also a raise.
私がほしいものは昇進だけでなく昇給もです。
「What I want」で「私がほしいもの」という意味の主語になっています。
説明するとこのように複雑な関係代名詞ですが、習得への第一歩は、「先行詞と格による関係代名詞の早見表」を暗記することです。
そして、当講義で挙げた例文を何度も読み上げて、「先行詞と格による関係代名詞の早見表」の内容を文章レベルで使えるように、体に覚えさせることです。
何度も繰り返し学ぶうちに感覚的にどの関係代名詞を使うべきかが分かるようになります。
次の講義はコチラ:関係副詞とは
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