TOEICリーディングパート5の攻略法
2016年5月からの新TOEICでの変更点
出題形式はこれまでのパート5と同じですが、問題数が「40問→30問」へと減りました。
■パート5の出題形式について
パート5は、それぞれの問題に問題文として1文が用意されていて、その文中に1つの空欄があります。
その空欄に入る適切なものを4つの選択肢から1つを選んでいきます。
このような形式で全30問あります。
■パート5を解く手順
パート5は、文中に空欄があり、そこに入る適切なものを4つの選択肢から選ぶ問題です。
パート5を解く手順としてもっとも重要なことは、まずは4つの選択肢を先にてどんな問題かを判断することです。
問題のパターンは大きく分ければ2つしかありません。
文法問題と語彙問題です。
4つの選択肢を先に見れば、その問題が文法問題か語彙問題なのかが分かります。
そして、文法問題か語彙問題によって問題を解くアプローチが変わってきます。
文法問題
選択肢4つともが似たつづりの単語の場合、動詞の正しい活用や正しい品詞を選ぶものなので、問題の空欄の前後を見るだけで答えが分かる。
語彙問題
選択肢4つともがつづりが似ていない単語の場合、文脈に合った語彙を選ぶ問題なので、問題文すべてを読み、文の内容を理解する必要がある。
解き方についてはこれから解説していきますので、まずはパート5は選択肢を先に見て、上述のどちらのタイプの問題かを判断し、その後に問題文を見るという手順を覚えてください。
■時間配分を考える
リスニングセクションは音声に従って回答をしていくので誰が受験をしても回答に要する時間は同じです。
しかし、リーディングセクションからは各自のペースで回答をしていくことになるので、自分で時間配分を考える必要があります。
TOEICで高得点を取る条件として、未回答の問題をなくし、すべての問題に回答をすることが挙げられます。
その条件下でのパート5を回答する時間配分の目安は全30問を10〜13分程度が理想です。
これはあくまでも私が全問を解くための場合であり、各自が自分の目標点数や現状の英語力から逆算をして考えるようにしましょう。
ちなみに私がこのような時間を設定するのには明確な根拠があります。
それは、長文読解の問題であるパート7がやはり一番難しく、できる限りパート7を解くための時間を確保したいからです。
特に2016年5月から開始になった新TOEICでは、トリプルパッセージ(3つの長文から成る問題)が新設され、これを解き切るためにはなおさら時間が必要だと感じています。
「おいおい、それはお前が時間内に全問解けるくらいの英語力があるからの話だろ」との指摘もあるかと思いますが、そうではないとしても、やはりパート7に時間を残すことをおすすめします。
なぜなら、パート5やパート6は問題の性質上、分からないものはどれだけ時間をかけて考えても分かるようにはならないからです。
それに対してパート7は、長文中の内容について回答をしていくため、時間をかけて長文中を探せば回答が見つかる問題が多いです。
このような理由から、英語力がある人もない人も、パート5は素早く回答してパート7に備えた方がよいでしょう。
■語彙問題を攻略する
選択肢4つともにつづりが似ていない単語の場合は「語彙問題」である可能性が高いです。
文脈に合った意味の単語を入れる問題や熟語の一部を入れる問題です。
これらの語彙問題については、英語力がそのまま解答に差となって出ます。
単純に語彙力がある人は点数が取れることになります。
これについては狙う得点に合わせてTOEICの参考書などをやりこんで語彙力をつけるしか方法がありません。
熟語問題については有効な勉強法があるので説明しておきます。
それはカタマリとして熟語を覚えることです。
in response to 〜に反応して
このようにカタマリで発音して覚えるようにします。
カタマリで覚えてしまえばどの単語が空欄になっても対応できます。
ポイントは声に出して覚えることです。
口は頭が忘れていても覚えているものです。
■文法問題を攻略する
選択肢4つともにつづりが似ている単語の場合は「文法問題」です。
※適切な前置詞や接続詞を選ぶという問題は文法問題ながら似たつづりの選択肢になりません
つまりは、問題文に合った文法的に正しい形や活用のものを選択するということです。
文法問題は出題されるパターンが決まっているので、語彙問題よりも点数を上げやすい傾向があります。
・適切な品詞を選ぶ問題
・動詞の正しい活用形を選ぶ問題
・単数形か複数形の正しい形を選ぶ問題
これら3つのように出題される問題はパターン化されています。
いずれの問題も英語の文法のルールに従って回答をするのみです。
例えば、名詞の前に空欄があれば、その空欄に入る可能性があるのは形容詞、冠詞、代名詞というように文法上の決まりがあります。
この決まりに従えば、答えは形容詞、冠詞、代名詞のどれかになります。
また、助動詞の後ろに空欄があれば、そこに入るのは動詞の原形です。
この手の問題では、動詞の原形、動詞の過去形、過去分詞形などが回答の選択肢として用意されています。
つづりの似た単語から文法として適切なものを選ぶだけなので、問題文をすべて読まなくても、空欄の前後のみを読むだけで回答をすることができます。
■超効率的な勉強方法
2016年5月に新TOEICへと問題形式が改変されました。
その前の改変は2006年でした。
このようにTOEICは時間の経過とともに、その情勢に合わせて問題形式や出題される内容も変化しています。
そんな中、TOEIC開始からこれまで唯一改変されていないのがパート5です。
上で説明したとおり、パート5は大きく分けると語彙問題と文法問題しかありません。
語彙問題については語彙がほぼ無限に存在するためどれだけでも新たな問題を作ることもできますが、文法問題については限りがあります。
そのため、もう何十年単位で毎年毎回と同じ形式で問題を行っていれば、かなりの確率で文法問題については出題されるものが重複してしまうのは仕方のないことです。
このような事情を汲み取れば、やはりTOEIC公式問題集や予想問題集など、これまで出題された問題と近い問題を取り上げているものを使って勉強することが近道になります。
私がおすすめする方法は、TOEIC公式問題を使用し、その中にある試験2回分のパート5全60問(30問×2回分)を何度も繰り返し解くことです。
そうすれば、実際にTOEICで出題される問題の傾向をほぼ知ることができます。
手広くどんどん新たな問題を解いていく勉強方法は、1つの取りこぼしも許されないほどの高得点を狙う人には有効です。
しかし、まだ500点や700点というスコアを目標にするうちは、限られた数の問題を繰り返し解いて、その傾向を理解する方が有効になります。
まとめとアドバイス
パート5には語彙問題と文法問題がある。
語彙問題は語彙力によって結果が決まるため、点数を上げるためにはとにかく単語を覚える必要があり、短期間で点数アップを目指すのが難しい。
文法問題はある程度パターンが決まっていて、かつ、問われるのは基礎的な文法知識が中心である。
そのため、短期間で点数アップを狙いやすい。
よって、パート5の点数アップを目指すのなら、まずは文法問題から着手するとよい。
文法問題のさらに詳しい攻略については、私からの特典に詳しく書いてありますのでそちらを参考にしていただきたいです。
次はパート6の攻略法についてです。