TOEICリスニングパート2の攻略法
2016年5月からの新TOEICでの変更点
出題形式はこれまでのパート2と同じですが、問題数が「30問→25問」へと変更になりました。
■パート2の出題形式について
パート2は全25問です。
1つの問題につき、英文が1つ読み上げられます。
続いてその英文に対する回答が3つ読み上げられます。
この3つのうち、最初に読み上げられた英文の内容に対する回答として適切なものを選択するという問題です。
このように、パート2はTOEICの中で唯一の三択問題になっています。
また、リスニングセクションの他のパートと違い、パート2は問題用紙に問題に関連することが一切記載されていないので、純粋に耳の力のみで回答をする必要があります。
■50問程度用意してそれを繰り返す
TOEICの全7パートの中で、パート2が最も点数の上げやすいパートだと私は考えています。
その理由は、出題される形式がある程度パターン化されているからです。
しかも、それほど多くのパターンが存在するわけではありません。
高得点を狙うには全問正解したいのがパート2ですが、頻出パターンをマスターするだけで25問中20問くらいは正答することができます。
パート2の勉強法としては、まずは参考書にある50問程度(試験2回分)を何度も繰り返してください。
パート2の出題数は25問なので、その倍の50問を用意すれば、だいたいのパターンを押さえることができます。
そして、それらを繰り返すことで問題のパターンが分かってきます。
■前提として大事なこと
パート2を回答するにあたって注意するべきことは、問題文に対してストートに答えがあるわけではない場合があるということです。
簡単な例として、
Is this a new copy machine?
これは新しいコピー機ですか?
という質問に対しての正解が、
Joe might know.
ジョーなら知っているかもしれません。
というものになるということです。
この場合、一般的に以下のような答えを想定することだと思います。
Yes, it is.
はい、そうです。
No, it isn't.
いいえ、違います。
Sorry, I don't know.
ごめんなさい、知りません。
しかし、このように問題文に対してストートに答えがあるとは限らず、上に挙げた「Joe might know.」のように曖昧だが答えとなりうる場合があります。
意識として、問題文に対して会話として成立しているものを選ぶようにしなければなりません。
むしろ、ほとんどの問題でストレートな回答はなく、こういった話の流れとして成立しているものを見極める必要があります。
また、パート2はひっかけ問題を組み込みやすい問題でもあります。
ですので、これから説明していくよくあるひっかけ問題にはしっかりと対応をしなければなりません。
■消去法の効力
パート2はTOEIC全セクションの中で唯一の三択問題であるため、消去法がもっとも力を発揮するセクションです。
三択問題なので、1つでも間違いを見つけそれを消去できたのなら、勘で解いても50%の正答率になります。
ですので、いかに消去法をうまく活用できるかが点数アップに大きくつながります。
※なぜパート2だけ三択問題なの?
パート2は、スピーキングで必要となる情報判断力と即応力(瞬時に応える能力)を測定しているそうです。
そのため、回答の選択肢が4つあると即応力が測定しづらい、逆に選択肢を2つにしてしまうとテストとしての信頼性を失うということをなくすため、三択問題になっているそうです。
■主語を聞き取る
問題文の主語を聞き取ることは重要です。
なぜなら、主語が話の軸になりますし、主語が分からなければ間違ってしまう可能性が高くなるからです。
そして、主語をしっかりと聞き取ることは消去法にも役に立ちます。
問題文が読み上げられたら、「誰」「何」についての話題かを確実に聞き取るようにしてください。
消去法でたやすく消去できるのは、問題文で「あなたは」と訊いているのに回答文では「彼は」などと違った主語について答えているものです。
このようなものはいくら続きの文が内容と合っていても主語が違うので無条件で不正解になります。
■問題文と似たような発音が入ったものに注意
これも消去法に有効なテクニックです。
問題文で「plan」という単語が出てきます。
そして回答文で「plant」という「plan」に似た発音のものがあるとします。
この場合、問題文と似た発音の単語を含む回答文は高い確率で不正解になります。
これは単純に受験者の正確な聞き取りができているかを試すためのひっかけ問題です。
そしてもう1つ理由があり、TOEICに限らず英語では会話や文章の中で先に出た単語やフレーズを好んで使わないという特徴があります。
ネイティブスピーカーは好んで単語やフレーズを言い換えています。
これをTOEICにも反映させているわけです。
そのため、問題文で出た単語は他の単語で意味が同じものに言い換えられている場合が多く、似た発音を含む回答文は不正解になります。
■問題文と同じ単語が入ったものに注意
問題文で「manager」という単語が登場をし、回答文の中でも「manager」という単語を含んだ選択肢が1つだけあったとします。
この場合、問題文で登場したキーとなる単語が回答文に含まれるものは不正解になる場合が多いです。
これもひっかけ問題なのですが、聞き取りができない人は同じ単語が含まれているものを正解だと思う行動パターンを逆手に取ったものです。
問題文に登場したキーとなる単語を含んだ回答文は消去する候補になります。
■文頭の疑問詞を聞き取る練習をする
毎回必ず出題されるパターンなのが疑問詞で始まる問題文です。
「Why did he get home early?」や「What do you want to eat?」などです。
疑問詞で始まる問題に対しては疑問詞の内容に合っているものが正答になります。
例えば「when」で「いつ」と訊いているのに、「場所(where)」を答えているものは迷わず消去です。
この手の疑問詞の問題は、文頭の疑問詞を正確に聞き取る練習をする必要があります。
また、疑問詞で訊かれている問題の回答として「yes」や「no」で答えているものも無条件で不正解となります。
比率としてパート2の3割程度が疑問詞から始まる問題になっているので、まずはこの疑問詞で始まる問題の練習からしていくことが点数アップには有効です。
パート2で出題される問題文はいくつかの形式に分けることができるので、それについてもおさらいしておきます。
(1)一般疑問文
Did you attend the meeting yesterday?
昨日ミーティングに出席しましたか?
一般疑問文に対しては通常「yes」「no」で回答しますが、そうではない曖昧な回答にもなることが多いのがTOEICの特徴です。
(2)否定疑問文
Don't you attend the meeting today?
今日ミーティングに出席しないのですか?
否定形の疑問文のため、どう回答するか悩むのですが、考え方は単純です。
Yes, I do.
いいえ、出席します。
No, I don't.
はい、出席しません。
日本語で書くと紛らわしいのですが、「you attend the meeting today?」のみに着目し、それに対して「yes」か「no」で回答するだけです。
それゆえに出席する場合は「yes」、欠席する場合は「no」となります。
(3)付加疑問文
You attend the meeting today, don't you?
今日ミーティングに出席しますよね?
付加疑問文の回答の仕方も、上で説明した否定疑問文と同じになります。
「You attend the meeting today」のみに着目し、出席する場合は「Yes, I do.」、欠席する場合は「No, I don't.」と回答をします。
(4)選択疑問文
Should we set up a meeting today or tomorrow?
今日ミーティングを組むべきですか、それとも明日組むべきでしょうか?
選択疑問文の構造を見れば、上の例文では「today=A」「tomorrow=B」と考え、「A or B」を回答することになります。
しかし、それだけでなく「AでもBでも構わない」「AもBもダメ」「AとB以外」「相手に選んでもらう」などの回答のパターンもあります。
(5)平叙文
Please tell me about the meeting yesterday.
昨日のミーティングについて教えてください。
平叙文は疑問文ではないため、その場に応じて適切な回答をする必要があります。
以上(1)〜(5)に渡って説明したとおり、それぞれの文の形式に対して適切な回答の仕方があるので、まずはそれを理解します。
そして、回答の選択肢にこれらにふさわしい、かつ、文脈的に正しいものがなければ、会話が自然に成立しているものを選ぶだけです。
■時制を聞き逃さない
問題文と回答文の時制が一致していないもの、不自然なものも消去法の対象になります。
問題文が現在形なのか、過去形なのか、未来形なのか確実に押さえてください。
そして、回答文で時制が不適切なものは無条件で消去しておきましょう。
ただし、例外的に時制が一致しないものあるので、高得点を狙うにはしっかりと文章としての意味を把握する必要があります。
最後に、パート2は全25問ありますが、高得点を取るためには回答のペースを崩さないことです。
悩んだ問題があったとしても、それを次の問題へ引きずってしまい、次の問題を聞き逃すということは大きなマイナスになってしまいます。
そうならないためにも、可能な限りの消去法を利用し、それでも悩んだ問題は時間をかけることなく適当にマークを塗りつぶし、次の問題を聞く準備へと備えることです。
問題自体はそれほど難しくないので、ペースを崩さず1問1問集中して解くようにしましょう。
次はパート3の攻略法について説明していきます。