TOEICリスニングパート1の攻略法
2016年5月からの新TOEICでの変更点
出題形式はこれまでのパート1と同じですが、問題数が「10問→6問」へと変更になりました。
■パート1の出題形式について
パート1は、全部で6問あります。
1つの問題につき1枚の写真が用意されています。
その写真の内容に対しての英文が4つ読み上げられます。
読み上げられた4つの英文の中から、写真の内容と一致しているものを選択するという問題です。
パート1は2016年5月の新TOEICに移行して問題数こそ減りましたが、出題形式などはそのままです。
これまでどおり解けば問題ありません。
それでは早速、パート1の攻略法に入っていきましょう。
■先に写真を見ておく
パート1は、問題が始まる前に問題用紙に記載された写真を眺めておきましょう。
つまり、問題の説明文が読み上げられている時間を利用して先に写真を見ておくという意味です。
問題の説明文については毎回同じなので、パート1の出題形式を事前に知っていれば聞く必要はありません。
引き続き解説しますが、まずは写真を見て、どのタイプの問題かを判別します。
判別したのなら、問題のタイプごとに解き方や注意する点があるので、それらを意識しながら問題に取り掛かっていきます。
■問題のタイプごとの解き方と注意点
パート1に登場する写真には以下の3つのタイプしかありません。
- 人物が一人だけ写っている写真
- 人物が二人以上写っている写真
- 物や風景が写っている写真
写真を見て、まずはどのタイプの問題かを把握します。
タイプごとに問題の解き方や注意点が変わってくるのでそれについて説明していきます。
まずは「人物が一人だけ写っている写真」の場合です。
この場合、当然ですが、4つの回答の選択肢で読み上げられる主語が全て同じことが多いです。
そして、動作を表す動詞(述語)が変化し、この動詞が聞き取れるかどうかで回答できるかが決まります。
つまり注意して聞くべきは、主語の直後に来る動詞です。
この意識で問題を聞けば、正答を簡単に判別することができます。
逆を言えば、主語を聞き逃したからといって焦らないことです。
後続の動詞(述語)を聞き取れさえすれば、正解することができるからです。
「人物が二人以上写っている写真」の場合、まずは「誰」についてかを把握する必要があります。
写真の中の男性を指してなら「The man 〜」、女性を指してなら「The woman 〜」、複数人をまとめて指すのなら、「They 〜」や「The people 〜」という主語からはじまることが多いです。
(複数人の写真で「One of the man 〜」というようにはじまることもあります)
まずは主語をしっかりと聞く意識を持ち、誰についての話かを特定し、そしてそれに続く動詞(述語)を聞いていけば正解を判別することができます。
このように主語と動詞(述語)をセットでしっかりと聞き取ることが求められます。
特に同性が複数人いる写真の場合は注意が必要です。
なぜなら、たとえば男性二人と女性一人が写っている写真の場合、「One of the man 〜」という主語を聞き取った後、どちらの男性についての述語が流れるかが分からないからです。
そのため、両方の男性の動作について確認して回答しなければなりません。
最後に「物や風景が写っている写真」の場合についてです。
私はこのタイプの問題がもっとも難しいと感じています。
その理由は、写真の中の何が主語になるかを推測しづらいからです。
写真のど真ん中に大きく物が写っているのに、それとは関係のない物が答えになることがあったりします。
だからこそ、まずは写真の中の何について問題が読み上げられているのか、主語をしっかりと把握しなければなりません。
主語を把握したら次はそれに続く動詞(述語)です。
物や風景が写っている写真では、動作ではなく状態を表す動詞が登場します。
パート1でよく登場する状態を表す動詞には以下のようなものがあります。
【パート1でよく登場する状態を表す動詞】
動詞 | 意味 |
---|---|
be placed on 〜 | 〜の上に置かれている |
be lined up | 並べられている |
be piled up | 積み上げられている |
be displayed | 展示されている |
be exhibited | 展示されている |
be occupied | 使用されている |
be parked | (乗り物が)停められている |
このように状態を表す動詞で頻出のものがあるので、まずはこれらの意味をしっかりと理解し、その上で聞き取れるようにしておく必要があります。
そして、状態を表す動詞と同様に大切なのが位置関係を表す語句です。
パート1でよく登場する位置関係を表す語句には以下のようなものがあります。
【パート1でよく登場する位置関係を表す語句】
語句 | 意味 |
---|---|
in front of 〜 | 〜の前に |
behind 〜 | 〜の背後に |
over 〜 | 〜の上に |
above 〜 | 〜の上に |
below 〜 | 〜の下に |
along 〜 | 〜に沿って |
side by side | 横に並んで |
face to face | 向き合って |
face each other | 互いに向き合って |
in a low | 一列に |
in line | 一列に |
位置関係を表す語句によって、写真の中の位置関係を確認していく必要があります。
ここまでをまとめるのなら、まずは主語を把握し、その主語に対する位置関係を表す動詞や語句が正しいかを確認していくということです。
以上、3つのタイプに分けて説明しましたが、これがパート1の大枠になります。
後は引き続き解説する細かいテクニックなどを押さえていく必要があります。
■消去法が強い
TOEICは4択形式です(パート2のみ3択形式)。
となると当然ですが、消去法がかなり有効になります。
特にパート1とパート2は瞬時の判断が求められるので消去法が有効です。
4つの選択肢の中から明らかに正解ではないものをパート1では2つ、パート2では1つ押さえるようにしてください。
正解を聞き取ることも大切ですが、間違いが全て分かれば正解を見つけることもできます。
正解を見つけると同時に消去法も意識してください。
消去法ができるだけでリスニングセクションは300点くらいまで取ることができます。
■写真から判断できないものは選ばない
これは消去法を手伝うテクニックです。
パート1でたまに写真からは判断し切れない答えが読み上げられるときがあります。
つまりは、写真に登場しない「名詞」や「動詞」が読み上げられるということです。
こういう問題があると一瞬悩んでしまい、次の答えを聞き逃すことがあります。
これではもったいないです。
ルールとして、写真から判断し切れないものは迷わず消去しましょう。
想像力が高い人ほど、写真から判断できないものを正解ではないかと感じてしまうので注意が必要です。
写真から判断できないものは正解ではありません。
■言い換えがされている場合もある
写真に車が写っています。
そこであなたは「car」という単語を聞こうと想定して問題を待ち構えます。
しかし、いざ問題を聞きはじめると、「car」という単語に対して位置関係などの説明が正しいものがない場合があります。
これは「car」という単語を「vehicle(乗り物)」と言い換えて、この「vehicle」という単語を含んだものが正解になるケースです。
このように直球で解答にならず、言い換えというひねりを利かせた問題もTOEICではよく出題されます。
言い換えされているケースがある、この意識の元、問題を聞くようにしましょう。
特に「総称」を表す単語がよく使われていると私は感じています。
【パート1でよく登場する「総称」を表す語彙】
名詞 | 意味 | 表す単語の例 |
---|---|---|
vehicle | 乗り物 | car bus train |
device | 機器 | cellphone PC |
instrument | 器具 | guitar microscope |
equipment | 装置 | camera projector |
例えば、写真の中には「cellphone(携帯電話)」があるのに問題文では「cellphone」ではなく「device」という携帯電話を表す総称が読み上げられることがあります。
このように総称を表す単語が使われる場合があるので、注意が必要です。
■似た発音の単語に注意をする
これもベタなひっかけ問題ですが、似た発音の単語を回答文に並べるというものもあります。
分かりやすい例でいうと、「glass(ガラス、コップ)」と「grass(草)」です。
このように似た発音の単語を出すことによって、聞き間違いを誘発しようという手です。
純粋にリスニングの力があれば間違うことはありませんが、そうでないとまったく聞き分けができないこともあります。
この手の問題の対処方法は、似た発音の単語として出題されるものが決まっているので、それらを事前に知っておくことです。
【パート1でよく登場する似た発音の単語】
単語1 | 単語2 |
---|---|
glass | grass |
track | truck |
coffee | copy |
tea | tree |
car | cart |
bus | bath |
walking | working |
holding | folding |
watching | washing |
これらを事前に知っておけば余裕を持って対処することができるようになります。
■時制に注意をする
写真に写っている人や物の動作や位置関係などを表した英文が問題では読み上げられます。
そのため、当然のことですが、読み上げられる英文の時制は現在形か現在進行形になります。
つまり、過去形や未来形の時制の英文は答えになることがないということです。
人が答えに関連をする場合、もっぱら現在進行形が使われます。
物が答えに関連する場合、現在形の受動態、現在進行形の受動態、現在完了形の受動態が使われることになります。
受動態の場合でも、時制は「現在形か現在進行形」のものしか正解にはなりえません。
パート1の攻略法としては以上です。
パート1は全部で6問です。
イメージとしていきなり1問目でひっかけ問題が出ることはなく、問題の後半の方に進むにつれてひっかけ問題が登場します。
ですので、はじめのうちはひっかけを過剰に意識することなく、まっとうに問題を解いていきましょう。
私は経験から知っていますが、今まで中学と高校でしか英語の勉強経験がない人がTOEICを初めて受けてもパート1だけは3〜4問は正解できてしまいます。
思っている以上にパート1は間違えないものです。
ですので、答えに不安があっても深く考えずに直感でマークシートを塗りつぶして次の問題に備えましょう。
問題のペースに遅れてしまうことが一番やってはいけないことです。
パート1は間違ったと思っても意外に正解できているものです。
気にせず次の問題へ意識を集中させましょう。
次はパート2の攻略法について説明をしていきます。