仮定法I wishの使い方とI hopeとの違い
まずはこれだけ覚える!
「I wish」は仮定法であり、実現の可能性がないことを表現する場合に使う!
「I hope」は直説法(事実をありのままを述べた文章)であり、実現の可能性があることを表現する場合に使う!
今回の講義では、仮定法である「I wish」について、直説法である「I hope」との違いを確認しながら説明していきます。
※直説法とは・・・事実をありのままに語った文章。「直接」ではなく「直説」と表記し、「直に説く(じかにとく)」という意味
〜目次〜
- I wishの使い方とI hopeとの違い
- I wishの文章の作り方の公式
- 「wish 人 物」の形の場合
- 過去を表現する場合の時制のコントロール
- 未来を表現する場合の時制のコントロール
- if onlyを用いた文章への書き換え
仮定法の慣用表現に「I wish」を使ったものがあります。
※慣用表現とは・・・習慣として長い間広く使われてきた、ひとまとまりの言葉・文句や言い回しのこと
ここでは「I wish」を用いた仮定法について、「望む」という似た意味を持つ「I hope」との違いについても触れながら掘り下げていきたいです。
以下の例文は「I wish」を用いた仮定法の定番とも言える文章です。
I wish I were rich.
もしお金持ちならな。
この「I wish」と似た表現で「I hope」があります。
「I hope」と「I wish」の違いは、「I hope」は仮定法ではなく、実現の可能性があることを表現する場合に使う、「I wish」は実現の可能性がないことを表現する場合に使うという決まりがあります。
この定義に従うと、先述の「I wish」を使った文章では「お金持ちになることがない」というニュアンスが含まれているわけです。
そして、「I wish」を「I hope」にすると、意味が異なってきます。
以下、「I hope」にした場合の例文と意味です。
I hope I am rich.
お金持ちになりたいな。
自分にはお金持ちになれる可能性があり、お金持ちになりたいと考えている、このようなニュアンスになります。
まずは、ここまで説明した「I hope」と「I wish」の違いを理解してください。
続いて、仮定法「I wish」の文章の作り方について説明していきます。
まず、仮定法「I wish」の文章と、仮定法ではない通常の文章である「I hope」の例文を見比べてみましょう。
■仮定法「I wish」の文章
I wish I were rich.
もしお金持ちならな。
■仮定法ではない「I hope」の文章
I hope I am rich.
お金持ちになりたいな。
上の2つの例文で注目すべきは、「I were」と「I am」の部分です。
「I wish」は仮定法なので、「I were」という形を取ります。
なぜこのように「I were」という形になるか、その理由は、仮定法過去に由来しています。
以下は仮定法過去の文章の公式です。
■仮定法過去の作り方の公式
If S1 V1p, S2 would(could,should,might) V2.
もしS1がV1なら、S2はV2だろうに。
※S1とS2が同じ主語(S1=S2)となる場合もOK
※Vp=動詞の過去形
注目するべきは、「If S1 V1p」というif節の部分です。
「If S1 V1p」という形で、「もしS1がV1なら」という意味になっていて、「I wish I were rich.」という例文においては「I were rich」の部分がif節に相当しています。
それゆえに、「I were」という形となっていると理解するとスムーズです。
「I hope」については、仮定法ではないので「I were」という形にはなりません。
ここまで説明したとおり、「I hope」は実現の可能性があることを表現する場合、「I wish」は実現の可能性がないことを表現する場合に使う、との定義です。
しかしながら、この定義に反する以下のフレーズをよく耳にしたことがあると思います。
I wish you a Merry Christmas.
「I wish」と表現しているので、実現可能性が低いことのため、このフレーズは相手に対して言うには「失礼なのでは?」と思う人もいるはずです。
実は、このように「I wish 人 物」の形を取る場合は、実現可能性の低さはなくなったニュアンスになります。
これまで、実現可能性が低いと説明したのは、「I wish that S V」の形であり、今回のように「I wish 人 物」の形は、これと同じニュアンスにはなりません。
仮定法の「I wish」において、主節の時制と同じことを言う場合は過去形、主節の時制より前のことを言う場合は過去完了形を使います。
主節とは以下の例文でいう「I wish」のことです。
I wish I were rich.
もしお金持ちならな。
主節は現在形であり、それに続く「I were rich」も「お金持ちならな」という現在形の意味になっています。
それゆえに、「主節の時制と同じことを言う場合は過去形」となるため、「I were」という過去形にすることが正解です。
注意していただきたいことは、仮に動詞が「I」や「he」のような単数であっても、仮定法「I wish」を使う場合はbe動詞を「were」にするという決まりがあることです。
続いて、過去完了形を使う場合の例を出してみます。
I wish I had graduated from that university.
あの大学を卒業していたらよかったのにな。
このように「主節の時制より前のことを言う場合」は、「I wish」に続けて過去完了形を用います。
変えられない過去なので、実現する可能性はありません。
そのため、実現する可能性のある「hope」ではなく、仮定法の「wish」を用いるわけです。
ここで説明した内容を公式として表すと以下となります。
■仮定法「I wish」の作り方の公式
主節の時制と同じことを言う場合
I wish S Vp.
SがVすればいいな。SがVならな。
主節の時制より前のことを言う場合
I wish S had Vpp
SがVしてたらよかったのにな。SがVだったらよかったのにな。
※Vp=動詞の過去形
※Vpp=動詞の過去分詞形
ちなみに、「I wished」という形にした場合の意味は以下のようになります。
I wished I were rich.
もしお金持ちだったらな、と思った。
このように文章自体が過去の意味になります。
仮定法の「I wish」は、未来のことについても表現することができます。
以下、例文で確認していきます。
I wish I would be rich.
これからお金持ちになれたらな。
「これからお金持ちになれたらな(でも、実際はなれないけど)」という意味のとおり、未来に対する仮定を表しています。
このように仮定法「I wish」を用いて未来のことを言う場合を公式として表すと、以下となります。
■仮定法「I wish」を用いて未来のことを言う場合の公式
I wish would V.
これからVならな。
※V=動詞の原形
ここまで「I wish」について説明してきましたが、「if only」を用いた文章に書き換えることができます。
以下のその例文です。
If only I were rich.
もしお金持ちならな。
If only I had graduated from that university.
あの大学を卒業していたらよかったのにな。
「I wish」の場合と同じ意味になります。
これを公式として表すと以下となります。
■仮定法「I wish」を「if only」に書き換える公式
主節の時制と同じことを言う場合
I wish S Vp=If only S Vp
SがVすればいいな。SがVならな。
主節の時制より前のことを言う場合
I wish S had Vpp=If only S had Vpp
SがVしてたらよかったのにな。SがVだったらよかったのにな。
※Vp=動詞の過去形
※Vpp=動詞の過去分詞形
「wish」と「hope」の使いわけはしっかりと理解しておきましょう。
特に英会話の中で、人に対して願いを捧げるときは「hope」となります。
実現の可能性がないことを言う「wish」を間違って使ってしまっては失礼になるので注意が必要です。
I hope you will speak English!
あなたが英語が話せるようになりますように!
この場合「you will speak」でも「you speak」でもどちらでもOKです。
このように「hope」に続く動詞は未来形と過去形どちらでもOKです。
次の講義はコチラ:as ifの使い方
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