現在完了形とは
まずはこれだけ覚える!
現在完了形は、過去のとある時点から現在に続く動作や状態などを表す!
「have+Vpp」という形を取る!
「完了・継続・経験・結果」の4つの意味がある!
〜目次〜
- 現在完了形とは
- 完了の意味の現在完了形
- 継続の意味の現在完了形
- 経験の意味の現在完了形
- 結果の意味の現在完了形
- 現在完了形に使えない時制を表す語句
- 現在完了形の否定文の作り方
- 現在完了形の疑問文の作り方
- 現在完了形の短縮形
- 過去分詞の作り方
- 現在完了形に対するネイティブスピーカーの感覚
現在完了形とは
現在完了形とは、過去のとある時点から現在に続く動作や状態などを表すときに使う時制表現です。
ただ過去のとある時点を表す過去形とは違い、過去から現在に続くイメージがポイントです。
現在完了形は「have(助動詞)+過去分詞(Vpp)」の形を取り、「完了・継続・経験・結果」の4つの意味を表すことができます。
I have lived in Osaka for a long time.
上の例文が現在完了形の基本的な形です。
重要ではありませんが、Vppは「動詞:verb」「過去:past」「分詞:participle」を組み合わせて「過去分詞:Vpp」と表記されています。
まずは現在完了形が持つ4つの意味について説明していきます。
完了の意味の現在完了形
完了の意味の現在完了形は、「〜してしまった」という意味になります。
I have already finished my homework.
私はすでに宿題をおえてしまった。
過去のとある時点から宿題をやりはじめて、宿題をやり終えて、今もその宿題が終わった状態にあるというニュアンスです。
【完了の意味と相性の良い語句】
already
もう、すでに
yet
まだ(否定文の場合)
もう、すでに(疑問文の場合)
just
ちょうど
継続の意味の現在完了形
継続の意味の現在完了形は、「〜し続けている」という意味になります。
I have studied English for three years.
私は英語を3年間勉強し続けています。
3年前から英語の勉強をはじめて、今もなおそれを継続しているというニュアンスです。
【継続の意味と相性の良い語句】
for 〜
〜の間
since 〜
〜以来
※補足
「for」は「ある状態や動作が続いた長さ」を表し、「for two days」や「for an hour」などの「期間」を伴います。
それに対して「since」は「いつから今まで続いているのか」を表し、「since yesterday」や「since last Sunday」など「時の一点」、もしくは「since I was born」などの具体的な状況を表す節を伴います。
ちなみによくある間違いですが、「since」と「ago」は同時に使うことができません。
【○】
since three month
【×】
since three month ago
経験の意味の現在完了形
経験の意味の現在完了形は、「〜したことがある」という意味になります。
I have ever watched this movie.
私は今までにこの映画を見たことがあります。
過去にその映画を見て、今もなおその映画を見た経験を持っているというニュアンスです。
【経験の意味と相性の良い語句】
never
今までに〜ない
ever
今までに
結果の意味の現在完了形
経験の意味の現在完了形は、「だから今〜だ」というニュアンスになります。
I have just painted this bench.
私はちょうどこのベンチを塗ったところです。(だから今ベンチに座るとペンキが付きます。)
過去のとある時点からベンチにペンキを塗りはじめ、今塗り終わり、だから今ベンチのペンキが乾いていないというニュアンスです。
現在完了形としての「ベンチを塗り終えた」ということよりも、それによって今起きている状況「ベンチのペンキが乾いていない」に意味としての焦点が当たっています。
このように、結果の意味を表す現在完了形はこれまで説明したものと考え方が少し違います。
そのため、現在完了形は「完了・継続・経験」の3つの意味として定義されることが多いです。
しかしながら、ちゃんと現在完了形の形を取っているので、現在完了形の1つとして当講義では扱っています。
現在完了形に使えない時制を表す語句
上に「相性の良い語句」として、現在完了形と一緒によく使う時制を表す語句を紹介しました。
このように時制を表す語句は現在完了形と一緒に使われることが多いのですが、現在完了形と一緒に使うことができない語句もあります。
現在完了形は「過去のとある時点から現在に続く動作や状態などを表す」というのが定義です。
そのため、過去のとある時点を表す語句、つまり過去形と相性の良い語句は現在完了形では使うことができません。
具体的には、「yesterday」「〜 ago」「last 〜」などです。
過去のある一点を表すのが過去形のため、これらの語句は過去形で用います。
現在完了形の「過去のとある時点から現在に続く」というニュアンスとは合いません。
現在完了形の否定文の作り方
現在完了形の否定文の作り方は簡単です。
現在完了形の「have」は助動詞なので、助動詞を使った否定文と考え方は全く同じで、「have」の後ろに「not」を置くだけです。
have not
haven't
※主語が三人称単数の場合
has not
hasn't
I haven't finished my homework yet.
私はまだ宿題が終わっていません。
このように現在完了形の「have」も助動詞なので、「can」などの助動詞を使った否定文とまったく同じ形になります。
現在完了形の疑問文の作り方
現在完了形の疑問文の作り方も簡単です。
現在完了形の「have」は助動詞なので、助動詞を使った疑問文と考え方は全く同じで、「have」を文頭に置いて文末に「?」を付けるだけです。
Have you ever watched this movie?
あなたはこの映画を見たことがありますか?
文頭の「Have」は大文字から書き出すようにしましょう。
こちらも否定文と同じで、現在完了形の「have」は助動詞なので「can」などの助動詞を使った疑問文と同じ形になります。
現在完了形の短縮形
主語が代名詞の場合、以下のように短縮形にすることができます。
■現在完了形の短縮形
元の形 | 短縮形 |
---|---|
I have | I've |
you have | you've |
we have | we've |
he has | he's |
she has | she's |
過去分詞の作り方
現在完了形を取る際に動詞を過去分詞の形に変化させる必要があります。
そのとき、規則変化する過去分詞と不規則変化する過去分詞があります。
規則変化する過去分詞は、過去形と過去分詞形が同じ形になります。
play-played-played
上の順番は「現在形-過去形-過去分詞」です。
不規則変化する過去分詞はそれぞれどのように変化させるのかが異なるので、1つずつ暗記する必要があります。
do-did-done
go-went-gone
eat-ate-eaten
begin-began-begun
wear-wore-worn
などが不規則変化をする過去分詞の代表例です。
また、現在形、過去形、過去分詞がすべて同じ形のものもあります。
put-put-put
cut-cut-cut
set-set-set
hurt-hurt-hurt
spread-spread-spread
ルールとして、語末が「t」か「d」のものはすべて同じ形を取ります。
現在完了形に対するネイティブスピーカーの感覚
ここまで現在完了形について説明してきましたが、やはり多くの人が悩むことは現在完了形が表す意味やニュアンスです。
これは仕方がないことで、なぜなら現在完了形は日本語にはない概念のため、日本語訳を考えてもあまりしっくりこないからです。
このように日本語にない概念を説明するのは難しく、それをごまかすかのように中学や高校の授業では「現在完了形には3つ(4つ)の意味がある」と学習し、その3つ(4つ)の意味を暗記させられてきました。
だから、現在完了形が苦手という人が多いのだと思います。
現在完了形をスッキリ理解するのに大切なことは、イメージで現在完了形の意味を捉えることです。
現在完了形は「過去から今までずっと」というイメージで理解するようにしましょう。
言い換えるのなら、「過去+現在」です。
I have already finished my homework.
私はすでに宿題を終えてしまった。
上の例文は「完了」を表しているのですが、過去に宿題を終わらせて、今もその終わった状態であることを意味しています。
I have studied English for three years.
私は英語を3年間勉強し続けています。
「継続」を表す上の例文は、過去に英語の勉強をはじめ、そしてそれが今も続いている状態を意味しています。
I have ever watched this movie.
私は今までにこの映画を見たことがあります。
この例文は「経験」を表しているのですが、過去に映画を見て、今もその経験を持った状態でいるという意味です。
I have just washed my hair.
私はちょうど髪の毛を洗ったところです。(だから今髪が濡れた状態です。)
この例文は「結果」を表していて、過去に髪の毛を洗いはじめて、今洗い終わり、だから今髪の毛が濡れた状態にあるという意味です。
日本語にすると、「完了・継続・経験・結果」という分類になりますが、ネイティブスピーカーはこのような意識で現在完了形を分類していません。
ネイティブスピーカーは、いずれの場合も「過去のとある時点から今まで続いていること」として理解をしているだけです。
完了・継続・経験・結果、いずれの現在完了形も「過去から今までずっと」というニュアンスを意識して理解していくようにしましょう。
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