過去完了形とは
まずはこれだけ覚える!
過去完了形は、「過去のとある時点よりも前からはじまり、過去のとある時点までに起きていたこと」を表す!
「had+Vpp」という形が過去完了形!
「完了・結果、継続、経験」の意味がある!
〜目次〜
- 過去完了形とは
- 完了・結果の意味の過去完了形
- 経験の意味の過去完了形
- 継続の意味の過去完了形
- 過去完了形の否定文の作り方
- 過去完了形の疑問文の作り方
- 過去完了形の短縮形
- 大過去を表す過去完了形
- 時制の一致による過去完了形
- 実現されなかった期待を表す過去完了形
過去完了形とは
過去完了形とは、「過去のとある時点よりも前からはじまり、過去のとある時点までに起きていたこと」を表すときに使う時制表現です。
現在完了形と同じく、「完了・結果、継続、経験」の意味があります。
(※「完了・結果」で1つとして括ります。)
現在完了形は「have+Vpp」という形だったのに対して、過去完了形では「had+Vpp」という形を取ります。
過去完了形は、単純に現在完了形の「have」を過去形の「had」に変えるだけです。
現在完了形は主語によって「has」になることもありますが、過去完了形は主語よって形が変わることなく、いつも「had」なので、現在完了形よりも神経を使う必要はありません。
過去完了形では、「過去のとある時点よりも前からはじまり、過去のとある時点までに起きていた」というニュアンスを意識することが重要です。
「過去のとある時点から現在に続く」という現在完了形の時制を1つ古くしたイメージです。
それではさっそく例文とともに意味を理解していくことにします。
完了・結果の意味の過去完了形
I had already had a dinner.
すでに夕食を食べてしまっていた。
(完了・結果の意味)
過去のとある時点よりも前に夕食を食べはじめて、過去のとある時点までにすでに夕食を食べ終えていた、そして過去のとある時点で夕食を食べ終えた状態にあるというニュアンスです。
「食べ終わった」という完了の意味と、「食べはじめたから食べ終わった」という結果の意味になります。
経験の意味の過去完了形
I had been there when I was a university student.
大学生のころ、そこへ行ったことがあった。
(経験の意味)
大学生だった過去のとある時点より前にそこに行ったことがあり、大学生だった過去のとある時点でそこに行った経験を持っているというニュアンスです。
継続の意味の過去完了形
I had been 20 years old till last month.
先月まで20歳だった。
(継続の意味)
先月という過去のとある時点までずっと20歳であり、過去のとある時点である先月の終わりでも20歳であったというニュアンスになります。
過去完了形の否定文の作り方
過去完了形の否定文は「had not Vpp」もしくは「hadn't Vpp」という形にします。
I hadn't been there when I was a university student.
大学生のころ、そこへ行ったことがなかった。
考え方は現在完了形の否定文と同じです。
現在完了形の「have」、過去完了形「had」はともに助動詞なので、助動詞の否定文と同じで「not」を加えます。
過去完了形の疑問文の作り方
過去完了形の否定文の疑問文は文頭に「Had」がきて文末に「?」を付けます。
Had you been there by then?
その時までに、あなたはそこへ行ったことがありましたか?
否定文と疑問文ともに日本語訳を見てのとおり、日本語でも聞き慣れない言い回しであり、過去完了形の否定文と疑問文は使用頻度が高くありません。
過去完了形の短縮形
主語が代名詞の場合、以下のように短縮形にすることができます。
■過去完了形の短縮形
元の形 | 短縮形 |
---|---|
I had | I'd |
you had | you'd |
we had | we'd |
he had | he'd |
she had | she'd |
they had | they'd |
ただし、否定形の場合のみ注意が必要です。
【多数派】
I hadn't had a dinner.
【少数派】
I'd not had a dinner.
「I'd」ではなく「hadn't」の短縮形を優先させましょう。
大過去を表す過去完了形
上で説明したとおり、過去完了形は「完了・結果、継続、経験」の意味があります。
これが基本ですが、上級者向けの知識として、これ以外の過去完了形についても説明していきます。
過去に起こった2つの出来事について、実際に起こった順とは逆の順で述べる場合、時間的に前に起こった出来事に対して過去完了形を用います。
これを大過去を表す過去完了形と言います。
I realized that I had left my cell phone in my house.
私は携帯電話を家に忘れてきたことに気が付きました。
この例文では、時間軸において「携帯電話を置き忘れた」のは「それを気づいた時」よりも前のことです。
そして、文章として先に「realized」が来ているため、「had left」というように過去完了形にすることで、2つの出来事の時間的な前後関係を明確にしています。
これが大過去を表す過去完了形です。
注意点として、起こったとおりの順番で述べる場合は、過去完了形を用いず、ともに過去形で表すことです。
I waked up, checked email, and cooked breakfast.
私は起きて、メールをチェックし、朝食を作りました。
また、以下のように「before」や「after」によって時間の前後関係が明らかな場合も過去形で表現します。
He went home before I arrived.
彼は私が到着する前に帰った。
あくまでも、「過去に起こった2つの出来事について、実際に起こった順とは逆の順で述べる場合、時間的に前に起こった出来事を過去完了形を用いる」というのが定義になります。
時制の一致による過去完了形
「時制の一致」という概念が英語にはあります。
時制の一致は、「従属節の動詞の時制は、主節の動詞の時制との関係で決まる」というルールのことを言います。
このルールを噛み砕いて言えば、「縦位節の中の過去形は過去完了形で表す」ということです。
※従属節とは・・関係詞や従属接続詞で導かれる節
言葉では分かりづらいので、例文で理解していくことにします。
Ken said he had won the game.
ケンは試合に勝ったと言いました。
上の例文は、「he had won the game」が縦位節であり、その中の過去形は過去完了形で表すため「had won」となっています。
「ケンが言った」時と「試合に勝った」時には時間のズレがあります。
「試合に勝った」時は、「ケンが言った」時よりも過去のことなので、過去の時点よりもさらにさかのぼるために過去完了形を用います。
これが時制の一致による過去完了形です。
実現されなかった期待を表す過去完了形
期待や願望を表す動詞を過去完了形で用いると、その期待や願望が実現されなかったことを表すことができます。
I had wanted you to decided.
あなたに決断してほしかった(のに、決断してくれなかった)。
このように「してほしかった、でもしてくれなかった」という意味になります。
期待や願望を表す動詞には、以下のものがあります。
■過去完了形の短縮形
動詞 | 意味 |
---|---|
want | 欲しい |
hope | 望む |
expect | 期待する |
intend | 意図する |
think | 思う |
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