子どもに英語を覚えさせたいのですが
Q:中学生の息子が英語が苦手だと言って全然勉強してくれません。何かこんな息子でもできる英語教材はありますか?
すみません、相談いただいたのですが、私は子どもがいないので、私の知識やメール相談の経験を通して分かっていることをベースに回答していくことをご理解ください。
ただ、これまでこの手の質問は数えきれないほど経験し、そのフィードバックを得てきているので回答には自信があります。
まずですが、何を目的に英語を勉強するのかをハッキリさせる必要があります。
中学校の英語の授業は高校受験、大学受験をにらんだ内容になっています。
つまり、英単語や英文法、長文の読解などが学習のメインです。
それに対して英語教材は英会話がメインになります。
受験ではなく、英語が話せるようになることを目的とした内容です。
そのため、お子様がどちらの力をつけたいのかをまずは明確にする必要があります。
そして、受験用の英語力をつけたいというのであれば、このサイトで紹介している英語教材よりも教科書や学習塾のテキストで勉強をした方が良いです。
もし実践的な英語を身につけたいのであれば、ネイティブイングリッシュや一番簡単なスピークナチュラルをおすすめします。
このように英語を学ぶ目的によって、何で勉強するべきかは異なるので、親としてまずはこの点に注意が必要です。
続いて、「英語が苦手で勉強してくれない」ということに対しては、やはり本人の適性や好き嫌いがあるので仕方がないことだと思います。
私は英語が好きで得意でしたが、それ以外の科目は嫌いで苦手です。
仮に英語が苦手でも、他に興味のある科目があれば、そちらを伸ばしていく方がお子様も苦労がないと思います。
もしイチロー選手の両親が、イチロー選手が子どもの頃に無理に英語をやらせていたら、イチロー選手の野球の才能は殺されてしまい、野球選手としてのイチロー選手の活躍はあり得なかったでしょう。
これは極端な例ですが、無理に英語に固執するとこのように可能性を潰してしまうリスクも潜んでいます。
しかし、高校受験では英語は必須、大学受験においてもどの学部を受けるにしても英語が必要になる場合が多いので英語を避けて通れないのが事実です。
やはり、苦手意識を取るために定番のことですが、褒めてあげることだと思います。
少しの上達でもそれを褒めてあげること、認めてあげることです。
叱ることよりも褒めることで英語って悪いものじゃないなと感じてもらってはいかかがでしょうか。
そして、親自身も英語を学ぶことです。
これも大切なことです。
子どもに教材を買い与えて終わり、英会話学校に丸投げすれば終わりと考える人が本当に多いのですが、それで解決ということはまずありません。
それでうまくいくのなら誰も子どもの英語教育で苦労はしませんし、もしそれでうまくいくとしてもごくごく一部の優秀なお子様だけです。
まずはあなたのお子様がこのごく一部に該当しているかを考える必要がありますし、もしそのごく一部に該当しているのなら「子どもが英語が苦手、勉強してくれない」と悩んでいないことでしょう。
特に自分自身がまともに英語を勉強したことがない親ほど注意が必要です。
子どもの気持ちを理解しきれないのはもちろんですが、英語は勉強してすぐに結果が出るものではないということを知らないため、子どもに短期での結果を求める傾向があるからです。
英会話学校に通わせたりとお金をかけている場合ほどこの傾向が強くなってしまいます。
このような無責任な丸投げの英語教育は、子どものモチベーションを下げるだけ、お金の無駄になるだけ、そして親であるあなたへの反発心を募らせるだけです。
英語ができない親からただ教材を買い与えられ「英語を勉強しなさい」としつこく言われる、これほど最悪な子どもの英語教育はありません。
自分ができなかったからこそ子どもに英語をと考える人が多いのですが、子どもとしてはなぜ親ができないものをやらなければならないのかという思いです。
押し付けられるからこそ過剰に反発したくなる、そしてそれを親に伝えるべく英語が嫌いになる、これが子どもの心理ではないでしょうか。
「子どもの教育は親の人生のリベンジであってはならない」という言葉を書籍で見たことがありますが、子どもがいないながらに私はこの言葉が正しいと思います。
このように無責任に子どもに英語を押し付けると、英語嫌いになるリスクも潜んでいるので注意が必要です。
まずは親が先に英語教材を買って、苦労を伴ってでもそれで勉強をして、少しでも英語が話せるようになったところを子どもに見せるようにします。
そうすれば、子どもの英語に対する反応や興味の持ち方もこれまでとは変わってくるものです。
直接「英語を勉強して」と子どもに言うのよりも、このように間接的に英語の魅力を伝えていく方が子どもとしても嫌な思いをすることはないはずです。
英語ではありませんが、私の会社の上司はゴルフが大好きで、子どもにゴルフを習わせたいと考えていました。
そんな上司は毎日家の庭で楽しそうにゴルフのスイングの練習をするのですが、子どもには「ゴルフをやれ」とは一度も言うことはありませんでした。
すると、子どもの方から「自分もゴルフがやりたい」と言ってきたそうです。
この話からも分かるとおり、親が子どもに口出しを一切せず、黙々と楽しそうに英語を勉強して英語が話せるようになっていけば、子どもは英語に興味を示し、「自分もやってみたい」と言い出すこともあるものです。
押し付けられると逃げ、押し付けられないと手に入れたくなる、これも子どもの心理ではないでしょうか。
逆に親であるあなた自身が子どものために英語を学ぶことを億劫に感じるのであれば、あなたが子ども「英語を勉強しなさい」と言う資格はないと思います。
あなたと同じであなたの子どもも英語を学ぶことを億劫に感じているわけであり、だからこそ英語を勉強したくないのです。
まずは親であるあなたが先に示す、親もやっているからこそ、子どもに対して「英語を勉強しないさい」という言葉に説得力が出るのです。
また、賛否両論ありますが、インセンティブを子どもの動機にすることも手だと思います。
「簡単な英会話ができるようになったら家族で海外旅行に行こう」のように子どもに提案をすれば、英語に興味を持ってくれることでしょう。
そして、勉強をするたびに子どもに100円なり500円なりを渡して、海外旅行用の貯金箱にそれを入れさせます。
子どもとしても勉強をするたびに貯金ができ、それが日に日に貯まっていくのでモチベーションにもなりますし、勉強することが習慣にもなります。
このとき注意をすることは、「簡単な英会話ができるようになったらゲームを買ってあげる」のような提案をしないということです。
こうするとゲームが動機になり、永遠にゲームやお菓子のようなインセンティブを目的にしか行動できない子どもになってしまう可能性があるからです。
そうではなく、「簡単な英会話→海外旅行」のように子どもにしてほしいことと同じ直線上にあるインセンティブを与えなければなりません。
インセンティブによって子どもを動機づけすることは賛否両論ありますが、最終手段として利用することもありだと思います。
そして、最終的に子どもが英語ができなくても、怒ったり、呆れたりしないでください。
あなたが英語ができるなら話は別です。
しかし、あなたが英語ができないのであれば、子どももできなくて当然と考えましょう。
だって英語ができないあなたの遺伝子を持った子どもなのですから。
親ができないことをやれと言われて、それができないことに対して怒られることほどやる気を減退させることはありません。
こうなってしまったら、今後の長い人生でもう二度と英語と向き合うことはないでしょう。
子どもはあなたを映し出す鏡だと私は思っています。
あなたが英語ができれば子どもも英語はできるようになる、あなたが英語ができなければ子どももできない。
医者の子どもが医者になる確率は、医者でない人の子どもが医者になる確率の百倍以上もあるそうですが、これと同じことですね。
あなたが英語を学び、話せるようになって、毎日子どもと英語で話すようにすれば、子どもも自然と英語を話せるようになるでしょう。
誰もが憧れる英語、子どもに習得してほしいと思う英語、しかし限られた人しか習得できないのが英語。
そんな英語だからこそ、子どもの将来のためにここまでできる親でなければ習得は難しいでしょう。
これが私の意見です。
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