多読の効果と方法

リーディングの学習には主に2つの方法があります。

 

それが「多読(たどく)」と「精読(せいどく)」です。

 

精読の効果については次の講義で解説をしていますので、ここでは多読についてお話ししていきます。

 

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多読とは読んで字のごとく「多くを読む」ことです。

 

つまり英文をとにかくたくさん読む練習をするということです。

 

多読によって得られる効果は、

・英文に慣れ、読むスピードが上がる

 

・英語を英語のまま理解できるようになる

 

ということが期待できると一般的に言われています。

 

そして、上記のような効果を引き出すためには、読むスピードを意識すること、分からないことがあっても立ち止まらないことが大切です。

 

左から右へ左から右へとペースを崩さずどんどん英文を読んでいきましょう。

 

これが多読をするときに意識すべきことです。

 

詳しい活動の実態などは私は知りませんが、SSS英語多読研究会という組織があり、その組織は多読の原則として以下の3つを挙げています。

  1. 辞書は引かない
  2.  

  3. わからないところは飛ばして前へ進む
  4.  

  5. つまらなくなったらやめる

 

これら3つの原則も私の多読に対する考えとほぼ同じであり、やはり「分からないことがあっても立ち止まらないこと」が大切になります。

 

自分の力に合わせて「この文章を2分以内に読み切る」のような目標を決めた上で英文を読みましょう。

 

制限時間を設けることで、考えこむことも、戻り読みをすることもできなくなります。

 

その結果、英語を日本語に変換することなく英語を英語のまま理解する力が自然と身につきます。

 

また当然のことですが、たくさんの文章を読むので英語に慣れるという効果もあります。

 

このような効果が期待できる多読ですが、行う上での注意点が1つだけあります。

 

それは、自分の実力で理解できる英文、もしくは、自分で理解できる状態にした英文を読むということです。

 

内容が難しすぎて理解できないような英文を多読したところで効果はほとんどありません。

 

(そもそもこのような英文は多読できないと思いますが)

 

これは英語のリスニングでも同じことが言えます。

 

理解できない英語をどれだけ聞き続けても理解できるようにならないのと同じで、理解できない英文をどれだけ読んでも一向に意味をつかめるようにはなりません。

 

多読の効果を得るには、読んで理解できる英文を読むか、理解できる状態にした英文を読む必要があります。

 

自分が理解できる英文とは、1つの文章中に自分が分からない単語や文法が1つあるかないかくらいのレベルの英文のことを言います。

 

これよりも多く分からない単語や文法がある英文は多読の素材としては適切ではありません。

 

なぜなら、1つの文章中に分からない単語や文法が複数個あると推測でその意味を理解することができず、スピードを上げて読むことはおろか、意味を理解することにエネルギーを使ってしまうからです。

 

もしこのような英文を多読の素材として使用したいのなら、事前に自分が理解できる状態にした上で多読をする必要があります。

 

いきなり多読を開始するのではなく、事前に英文をゆっくりと読み、分からない単語や文法を辞書などで調べ上げ、意味を理解しておきましょうということです。

 

そうすれば理解できないストレスもなくなりますし、読むスピードを上げることもできます。

 

理解できない、だけど速く読まないといけない、このような状態での多読では得られることはほとんどありません。

 

英文に慣れ、読むスピードを上げることが目的だったのに、単語の意味を調べる作業や英文と日本語訳を照合する作業に時間がかかってしまうだけです。

 

これでは本末転倒です。

 

スピードを上げて読んでもストレスなく意味を理解でき、設定した制限時間内に読める量が増えている、読むスピードが上がっていると実感の持てる英文を多読していきましょう。

 

英文を速く読めないのは、英文を速く読む方法を知らないからではなく、知らない単語や文法があるからというのが理由で間違いありません。

 

次は、多読とは反対の学習法である精読について説明をしていきます。

 

精読は多読と違い、スピードにはこだわらず英文の意味を丁寧に理解していく勉強法になります。

 

さきほど「理解できる状態にした英文を読む」と言いましたが、多読する英文を事前に理解できる状態にしておくのが精読です。

 

つまりは多読の前に精読がくるということです。

 

このような理由からも多読と精読はセットと考え、その効果や方法を理解しておきましょう。

 

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次の講義はコチラ:精読の効果と方法

 

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