分詞構文の完了形
まずはこれだけ覚える!
時制の違う2つの文章を分詞構文で表現する場合、分詞構文の完了形を使う!
分詞構文の完了形は「having V1pp」の形で表現する!
今回の講義では、分詞構文の完了形について説明していきます。
〜目次〜
時制の違う2つの文章を分詞構文で表現する場合、分詞構文の完了形を使います。
これについて、例文で確認していくことにします。
以下の例文は分詞構文の完了形です。
Having eaten too much, I can't move now.
食べ過ぎてしまったので、私は今動けません。
通常の分詞構文は「Ving」で表現され、それを完了形にすると「having Vpp」となります。
前の文章「Having eaten too much」は「食べ過ぎてしまった」という過去形の意味をしています。
それに対してうしろの文章「I can't move now」は「今動くことができません」と今のことを表す現在形です。
つまり、前の文章の出来事はうしろの文章の出来事よりも以前に起きていることになります。
このように時制の違う2つの文章、かつ、前の文章とうしろの文章の主語が同じ場合は、分詞構文の完了形に書き換えることができます。
これを公式的に書くと、以下となります。
■分詞構文の完了形への書き換え
【もともとの文章】
接続詞 S have V1pp, S V2.
【分詞構文の完了形に書き換え】
Having V1pp, S V2〜.
※V1とV2の時制が一致していないことが条件
次は、以下の分詞構文の完了形の文章を、上の公式に従って、接続詞を用いた通常の文章に戻してみます。
Having eaten too much, I can't move now.
接続詞を用いた通常の文章は、以下となります。
Because I have eaten too much, I can't move now.
意味はともにまったく同じで、「食べ過ぎてしまったので、私は今動けません。」です。
文章の中で時制が違う場合の分詞構文は、「Having Vpp」から書き出すと覚えておきましょう。
なお、文法書によっては「述語動詞の時制よりも前の時制を表す場合に分詞構文の完了形を使う」という説明がされています。
この「述語動詞」とは、先ほどの例文で言う「can't move」のことです。
つまりは分詞構文にならない方の文、うしろの文のことを述語動詞と表現しているわけです。
ここまで、「時制の違う2つの文章を分詞構文で表現する場合、分詞構文の完了形を使う」と繰り返し説明してきました。
この説明と反することになりますが、厳密には時制が違う2つの文章でも、通常の分詞構文を使う場合があります。
それは、「連続した動作を表す場合」です。
以下の例文を見てください。
Turning on the radio, I listened to the music.
ラジオをつけて、私は音楽を聴きました。
この場合、「ラジオをつける」という動作は、「音楽を聴く」という動作よりもわずかながらに前の時制になります。
それゆえに分詞構文の完了形を使うと考えてもよいのですが、このように時間にわずかの差しかない連続した動作は通常の分詞構文を用います。
「ラジオをつけて、音楽を聴く」というように、ほぼ時間差がないからだと理解しておきましょう。
最後に、分詞構文の完了形の否定形について説明します。
以下は分詞構文の完了形の否定形の例文です。
Not having eaten too much, I can move now.
食べすぎていないので、私は今動くことができます。
このように、否定語の「not」を分詞の前に置きます。
これを公式的に表すと、以下となります。
■分詞構文の完了形の否定形への書き換え
【もともとの文章】
接続詞 S have not V1pp, S V2.
【分詞構文の完了形に書き換え】
Not having V1pp, S V2〜.
※V1とV2の時制が一致していないことが条件
強い否定を表す「never」を用いる場合は、「Having never V1pp, S V2」という語順にしても間違いではありません。
完了形を用いると今よりも前の時制のことを表すことができます。
この考え方は分詞構文でも同じで、文章の中で時制に違いがある場合は分詞構文も完了形を使います。
また、否定したいときは、否定したい語句の前に否定語を置きます。
この考えは、分詞構文でも同じとなります。
このように、これまで学習した文法を合体させて表現していくことができます。
次の講義はコチラ:分詞構文の慣用表現まとめ