リスニングとヒアリング、正しいのはどっち
英語の上達とは直接的な関係はありませんが、ここでは「リスニング」と「ヒアリング」の違いについて説明していきます。
ご存知のとおり、英語の「聞き取り」のことを、「リスニング」と言う人もいれば、「ヒアリング」と言う人もいます。
どちらの言葉で英語の「聞き取り」を表現しても、それが英語の聞き取りの上達につながるわけではありません。
ですので、前提としてこの話は重要度が高くないことをはじめにお伝えしておきます。
英語の聞き取りのことを「リスニング」や「ヒアリング」と言いますが、最近ではもっぱら「リスニング」で統一されているように感じます。
TOEICでも英検でも、聞き取りのテストのことを「リスニング」と言いますし、最近では「ヒアリング」という言葉をあまり聞かなくなりました。
しかし、時代をさかのぼれば「ヒアリング」という言葉が主流であった時代もあります。
私は現在30代ですが、私の母親の世代(現在60代)の人たちは学校の授業で聞き取りのことを「ヒアリング」と言っていたそうです。
私が中学に入学したときに、母親は「ヒアリング」と言うが、学校では「リスニング」と言うという状況を私は経験してきました。
そして、私のそれ以降の人生は高校でも大学でも、さらには社会人になった今でも「リスニング」という言葉が使われています。
この事実から分かるとおり、昔は「ヒアリング」、現在は「リスニング」、よって「リスニング」が正解です。
今の時代を生きる私たちは、英語の聞き取りのことを「リスニング」と言った方が間違いはないでしょう。
それでは、英語本来の意味としての「リスニング」と「ヒアリング」について確認をしていきます。
「リスニング」は「listen」の動名詞ing形で「listening」です。
「リスニング」のニュアンスとしては、「自ら聞こうとして聞く」という意味が含まれています。
「ヒアリング」は「hear」の動名詞ing形で「hearing」です。
「ヒアリング」のニュアンスとしては、「聞こえてくる」という意味が含まれています。
「リスニング」と「ヒアリング」にはこのようなニュアンスの違いがあります。
そして、英語の勉強では「自ら聞こうとして聞く」わけなので「リスニング」と表現されるのが正しいというわけです。
このように英語のニュアンスからも「リスニング」が正しいことが分かります。
このサイトで紹介しているリスニングの教材でも、「リスニングパワー」と「ヒアリングマラソン」があります。
リスニングパワーについては、英語を聞き取る能力を身につけるために英語の音に集中して聞くわけなので「リスニングパワー」という名前がふさわしいです。
それに対して、英語をシャワーのように聞く教材であるヒアリングマラソンは、英語がシャワーのように聞こえてくるという感じなので「ヒアリングマラソン」という名前がふさわしいわけです。
ともに教材の内容を正確に表す教材名になっています。
さすがに教材の販売元は「リスニング」と「ヒアリング」の違いを知って教材名を付けているのだなという感じです。
「リスニング」と「ヒアリング」の違いを知ってもそれが英語力につながるわけではありませんが、これからの時代を生きる私たちは「リスニング」と言うほうがよいでしょう。