日本語をそのまま英語にしようとしない
今回の講義では、「フレーズを覚える」という方法の次のステップである「フレーズを元に考えて話す」という方法において大切になることを説明していきます。
英語を話す=日本語で思ったことを英語にする
この考えでいいと思います。
ネイティブスピーカーのように感覚で英語を話すことができればそれが理想なのですが、それは理想であり、考えて英語を話す方が習得としては現実的です。
しかし、「英語を話す=日本語で思ったことを英語にする」という考えに囚われすぎると、なかなか英語が話せなくなってしまいます。
これを実感するため、以下の一文を英語にしてもらっていいですか?
私は今は英語が好きになりました。
私はかつてこれを何と英語で言えばいいのか分かりませんでした。
I've come to like English now.
上に書いた英文が文法上は正解で、日本語をそのまま英語にしたものです。
「have Vpp」の現在完了形と「come to V」で「Vになる」という2つの文法的要素を含むことでやっと英語にできたのです。
しかし、実はもっともっと簡単に英語にすることができてしまいます。
難しい文法はまったく不要です。
I didn't like English, but I like it now.
英語が好きじゃなかった、でも今は好きです。
中学1年生レベルの英語だと思いませんか?
誰もが中学1年生で学習したもっともシンプルな形の「I like 〜」という肯定文のフレーズと「I don't like 〜」という否定文のフレーズの過去形を用いただけです。
実際に「私は今は英語が好きになりました」とネイティブスピーカーに伝えようと思ったとき、上に書いた2つの英文のどちらでも通じました。
では、「お世話になっています」と英語で言いたい場合はどうでしょうか。
きっと「お世話になっています」とピッタリ一致する英語が思い浮かばないはずです。
たとえば、私の場合は取引先に「お世話になっています」と言う場合、
Thank you for using our products.
いつも私たちの製品をお使いいただきありがとうございます。
というような言い回しをします。
「いつも私たちの製品をお使いいただきありがとうございます」=「お世話になっています」ということです。
「Thank you for 〜」という定番のフレーズを用いたとても簡単な表現ですが、これで十分通じます。
せっかくなので、もう1つ考えてみましょう。
では、「5年ぶりに」と英語で言いたい場合はどうでしょうか。
これも難しく考える必要はありません。
「4年ぶりに」ということは言い換えれば「この4年間で初めて」ということです。
そのため以下のように表現します。
for the first time in four years
4年ぶりに
これも中学で学習するレベルの英語で表現することができてしまいます(むしろこれがピッタリな表現です)。
日本語をそのまま英語にするのではなく、日本語の意味をつかみ、その意味を伝える英語を考える。
そうすれば簡単なフレーズ、簡単な単語や文法のみで英語が話せるようになります。
スピーキングではこれが大切です。
多くの人が日本語をそのまま英語にすることがスピーキングだと思っているため、英語が話せないのだと思います。
日本語の意味を考えるようにしましょう。
そうすれば一見すごく難しそうなことでも平易な英語で話せてしまうものです。
それでは格好が悪いと言う人もいるかもしれませんが、難しい英語はあまり役に立たないのが現実です。
実際に英語話者の中でネイティブスピーカーは4.68%しかいなくて、残りの95.32%は私たちのようなノンネイティブの英語話者だからです。
この数字からも分かるとおり、難しい英語を話して通じる人はごくわずかに限られています。
まずはフレーズを覚える、そしてそのフレーズをもとに頭で考えて応用を利かせる。
このとき大切になるのが、日本語をそのまま英語にするのではなく、日本語の意味を伝えられる平易な英語を意識することです。
先ほどの例文も、難しい文法や単語を使わない簡単なフレーズのみの中学生レベルの英語で表現することができました。
自分の中にすでに英語を話すだけの英語力はあるのです。
しかし、多くの人はないものに目を向けて、英語が話せないと言います。
自分の中にあるものに目を向けましょう。
そういう意味でも、日本語の意味を考えて自分が分かる簡単な英語にして話すことは大切です。
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